2012/11/17

投稿論文の草稿を書く

今日は土曜日ですので研究室活動はありませんが、学生が投稿論文の草稿を提出してくれたので
それを読んでいます。

初めて書く学術論文は、卒業論文とは格別に異なる精度の高いものです。
がんばりましょう。

とうことで他のメンバーにも役立つようなメモを書いてみました。

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(1)項目を次のような形式で作成してください。
途中では文章はなくてもよいから、項目だけは書いておく。

1. Introduction
2. Experimental
2.1 Sample preparation
2.1.1 Sample modification
・・・・・
3. Results and discussion
3.1  Characterization of carbonaceous materials
・・・・・
4.Conclusion
References
Acknowledgment

(2)図表には、それぞれ番号を1から順番につけてください。

(3) Results and discussion における図や表の説明の仕方
おおむねのパターンがあります。

1)~~を図(表)に示す。<まとめる。>
2)その図表の事実関係を明確に記す。
  ・例 電流密度が小さくなるにつれて、静電容量は小さくなった。
   グラフなら、
横軸に対して縦軸の数値がどのように変化したのかを記述する。
   実験結果を記すので、「過去形」を使うことが多い。
3)2)の結果から判断できる、類推できることを記す ・・・・いわゆる考察である。
 ・必要に応じて、他の文献を引用すると説得力がでる。

です。

文章表現は同じにすると単調になるので、適切な言い方に変えると読みやすくなります。
しかし、このパターンは変わりません。


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<補足>
1)について
・現在形にすることもあります。
・「~~を図(表)に示す。」で読者は、初めてのその図表を見ると思ってください。
・文章でさんざん説明した後で、「その結果を図●にまとめた」などと書かれると読者は怒ることでしょう。
★必ず先に図表を明示し、それを見ながら文章を読んでもらうことを意識しましょう。

2)
・図表はていねいに、特に図は何が言いたいのかわかる図を描いてください。
・文章で説明するからといって、見栄えのしない図、何が言いたいのかわからない図はNG。
・文章を読む前に読者は、図表を先に見ます。そこで読む気が起ったら、初めて文章を読みます。
★図面は作図力学を考えて描くことです。

 知的な科学・技術文章の書き方―実験リポート作成から学術論文構築まで [単行本]
中島 利勝 (著), 塚本 真也 (著)

の作図力学を読み返してください。(研究室もあります。)

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3)結果と考察
・これが重要ですが、緊張することはありません。事実からわかることを書きましょう。
・この部分がそれぞれの図表の順番において、流れるように円滑に読むことができるようにしましょう。
論文の展開に論理性があるかどうかはこの図表がうまく読者に理解されるストーリーにかかってます。

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今日はこれぐらいにします。



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